11月10日投稿 「公募条件が“本当に優秀な設計コンサル”を排除していないか」
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~マンション大規模修繕と設計事務所選びの盲点~
マンションの大規模修繕では、
どの設計コンサル事務所に依頼するか が、工事の品質・工事費・住民負担を大きく左右します。
その入口となるのが、管理組合や管理会社が設定する
「設計コンサル事務所の公募条件」 です。
ところが、この公募条件の“ハードルの高さ”が原因で、
本来は管理組合の力になれるはずの 小規模・中堅の専門事務所が、そもそも土俵に上がれない という現実があります。
■ 公募条件が高すぎる現実
多くの公募要領には、こんな条件が並びます。
- 創立20年以上
- 資本金3000万円以上
- 有資格者5名以上
一見、「しっかりした会社を選ぶため」に見えますが、
実際には 大手事務所しか入れないフィルター になっているケースも少なくありません。
その結果、
- 応募できるのは一部の大手・準大手だけ
- 顔ぶれが固定化し、競争が働きにくい
- 結果として 談合の温床 になりやすい
という構造ができあがっています。
そして、小規模事務所は経験を積む機会すら奪われるのです。
■ 「大阪万博」では資本金の縛りがなかった
ここで、ちょっと面白い話を。
ご存じの方もいるかもしれませんが、
大阪・関西万博の大屋根リング設計──あの国を挙げた一大プロジェクトの設計事務所公募には、
資本金の縛りが一切ありませんでした。

※出典:EXPO2025 大阪・関西万博公式Webサイト
https://www.expo2025.or.jp/expo-map-index/main-facilities/grandring/
世界が注目する巨大建築でさえ、
評価されたのは「提案力」「設計思想」「技術的創意」。
つまり、“資本金”ではなく、“どんな未来を描けるか”で勝負していたのです。
一方、私たちが携わるマンションの大規模修繕では、
「資本金3,000万円以上」「建築士5人以上」といった条件を目にします。
国のプロジェクトが資本金を問わないのに、
なぜ一棟のマンション修繕でそこまで求める必要があるのでしょうか。
■ 施工会社と設計コンサルは、同じ“会社”でも役割が違う
もちろん、誤解のないように言えば、
施工会社の公募で資本金や施工実績を求めるのは正しいことです。
工事を担う以上、資金力・組織体制・施工経験は安全性と直結します。
それは施工会社としての責任です。
しかし、設計コンサル事務所はそれとはまったく性質が異なります。
私たちは工事を“実施する側”ではなく、
「どこを直し、どう費用を最適化するか」を考える“知的専門職”。
資本金の多さよりも大切なのは、
- 劣化を見抜く経験値
- コストを調整する判断力
- 管理組合に寄り添う姿勢
こうした“中身の濃さ”です。
むしろ、現場に足を運び、理事会と直接話しながら最適解を導く──
そんな小規模事務所こそ、大規模修繕の現場では力を発揮します。
■ 条件が厳しすぎると、専門家が育たない
創立年数や資本金、有資格者数は、
本来なら時間と努力で積み上げていけるもの。
しかし、最初から条件が厳しすぎると、
応募できない → 案件を取れない → 実績が増えない → さらに条件を満たせない
という悪循環に陥ります。
“経験を積む機会を奪う公募条件”では、
業界全体が成熟しにくくなるのです。
■ 数字よりも、「考え抜く力」で選ぶ時代へ
創立年数や資本金、有資格者数は数字で測れます。
でも、大規模修繕に本当に必要なのは“数字で測れない力”です。
- 劣化を診断する目
- 費用を抑えながら価値を守る戦略性
- 住民に伝えるコミュニケーション力
これらは、書類のチェックボックスでは見えません。
■ 管理組合が見直したい公募条件
公募要項を作る際は、次の3点を意識すると、より公平で実力重視の選定ができます。
- 足切り条件は最低限に。
若い事務所でも参加できる年数・資本金に設定する。 - 書類だけで判断しない。
複数社にヒアリングやプレゼンの機会を与える。 - “考え抜く力”を評価項目に入れる。
提案の具体性や修繕方針、管理組合への姿勢を評価する。
こうすることで、数字では見えない“本当の実力”を見極められます。
■ LCMが目指す「公平な公募」と設計のあり方
私たちLCMは、マンション大規模修繕に特化した
ライフサイクルマネジメント会社として、
- 小回りの利く 柔軟な対応力
- 理事会に寄り添う 伴走型の提案
- 施工会社と一線を画す 中立性
を大切にしています。
私たちは、
「規模の大きさ」ではなく、「管理組合のためにどれだけ考え抜けるか」
で選ばれる存在でありたい。
そして、公募条件が
真に実力のある事務所を締め出す“見えない壁”
にならないよう、業界全体で見直す時期に来ていると思います。
そんな管理組合様へ。
LCMでは、オブザーバー・セカンドオピニオンとして公募条件の見直しから設計事務所選定のサポートまで、実務に即したご提案を行っています。
まずはお気軽にご相談ください。
マンション管理組合の運営を多角的にサポートします。
他社の関与がある場合でも、セカンドオピニオンや外部管理者方式に対する監査支援が可能です。
従来通り、大規模修繕や給排水設備工事のコンサルティングにも対応しています。
受付時間平日10:00~16:00

