2025年の区分所有法改正が管理組合運営に与える影響
カテゴリー
- 管理組合運営
2025年5月、「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための法律改正」が成立し、マンション管理の根幹を支える区分所有法に大きな変更が加えられました。
これまで「合意形成が難しい」「所在不明の所有者が多い」「修繕や建て替えが進まない」といった課題を抱えていた管理組合にとって、今回の改正は実務に直結する重要な転換点となります。
合意形成がしやすくなる ― 決議要件の緩和
従来、修繕や共用部分の改修など多くの事項については「区分所有者の過半数+議決権の過半数」といった厳しい決議要件が課されていました。 しかし改正後は、集会に出席した区分所有者とその議決権の過半数で決められる事項が広がります。 さらに、所在不明の区分所有者は議決権総数から除外できる制度も新設され、意思決定の停滞が大幅に減ることが期待されます。 管理組合にとっては、「集会に出席した人で決められる」ことの重みが増すため、理事会としては出席率を高める工夫や説明責任がより重要になってくるでしょう。
管理人制度の整備と国内管理人制度の創設
改正では、管理が適切に行われていないマンションに対して、裁判所が管理人を選任できる制度が設けられました。 また、海外在住などで国内住所を持たない所有者に対しては、国内管理人を選任する義務 が定められています。 これにより、従来「連絡が取れない所有者がいるために修繕が進まない」といった事態への法的対応が可能になりました。
建て替え・再生が進めやすくなる
老朽化や耐震性不足といった問題を抱えるマンションでは、建て替えや一括売却の合意形成が難しく、結果として危険な状態のまま放置されるケースが少なくありませんでした。 改正後は、安全性や衛生上の支障がある場合、従来よりも少ない賛成割合で決議が可能 となります。 加えて、借家人がいる専有部分についても退去や補償のルールが整備され、現実的に再生プロジェクトを進めやすくなります。
管理組合運営への実務的な影響
こうした改正により、管理組合運営は次のような影響を受けると考えられます。
総会・理事会の役割がより重要に
出席者多数決が中心となるため、事前説明や合意形成の努力が不可欠になります。
規約改正の必要性
決議要件や手続きを改正内容に合わせて見直す必要があります。
透明性・説明責任の強化
「参加した人で決めたこと」が住民全体に納得されるよう、議事録の充実や情報発信が求められます。
まとめ
2025年の区分所有法改正は、単なる法律の修正ではなく、「動かない管理組合をどう動かすか」 という大きなテーマに踏み込んだものです。 理事会の皆さまにとっては、意思決定のハードルが下がった分、説明責任と住民理解の重要性が増したと言えるでしょう。 この改正をきっかけに、自分たちの管理規約や運営方法を見直し、より円滑で持続可能な管理組合運営を目指すことが肝要です。

LCMでは
今回の法改正への対応について、
マンション管理士や弁護士など専門家のアドバイスを受けることも可能です。
管理組合の皆さまが安心して運営できるよう、実務に即したサポートをご提供しています。
マンション管理組合の運営を多角的にサポートします。
他社の関与がある場合でも、セカンドオピニオンや外部管理者方式に対する監査支援が可能です。
従来通り、大規模修繕や給排水設備工事のコンサルティングにも対応しています。
受付時間平日10:00~16:00

